nekoluckのブログ

サスペンス小説

結婚


長沢の姉と連絡が取れない
がしかし長沢祐樹は


「すみません
姉はうっかりやでスマホを落としたり
どこかに置きっぱなしにしたりするんで
今回もきっとそんなことだと思います
連絡が取れましたらすぐに姉から連絡するように申します」


そんなふうに何の屈託もなさそうに言ってくれた
私は人が死んでいることが気になったが
確かに何かの偶然かもしれない
彼を見ているとそんなことに関係しているとはとても思えない


死んだ吉永啓次のほうが気になった
本当に事故だったのだろうか?


「ああ、敬ちゃんね
呑み助だったからねぇ
まじめに仕事はするんだけど
飲んだらダメなんだよ
その向こうの弁当屋でパートをしてる奥さんも
随分、苦労したんだよ
でも、保険が入ってね
結構大きな額だったらしいよ
娘の愛ちゃっんはまじめないい子でね
看護師になるのが夢だって言ってたけど
父親があんな馬鹿な死に方をしたんだけど
ちゃんと夢はかなえられそうで
本当に良かったよ」


誰に聞いても酒を飲むとだらしなくて
際限がなかったって話で
誰もが酒を飲んで川に落ちて死んだなんて
いかにも啓次らしいと納得していた


「ただ、保険がなぁ・・・・」