nekoluckのブログ

サスペンス小説

結婚

恋が冷めてしまえば
夫になど全く興味がなかった
翔が新しい父親になじむよう
悲しい思いをしないように
新しい環境で、勉強がスムーズにでき
友人と楽しく過ごせるよう
そのことに全力を注いでいた
すぐに朱雀と環奈が生まれた
専業主婦を望んだわけではないが


翔の教育と10歳下に生まれた年子の朱雀と環奈で
私は子育て以外をする余裕はなかった
保育園に預けるなんて論外だったし
その間、彼がどんな仕事をして
どれだけお金を稼いでいるかも知らなかった
いや、彼がどれだけ働いてお金を手にしているかは
今でも知らない


彼には家族がわからないらしい
そういう概念がないのだ
一緒に何かに向かって頑張るとか
家族として信頼しあうとか全くない
もちろん生活費は入れてくれるのだが
三人の子育てをする間、一律10万円
それも最後のほうは入っては来なかった


この金額で翔に中学受験をさせ
した二人に私立の幼稚園に入れるのは
相当無理がある
常に私は実家からお金を引っ張ってきた
それはそれでどうかと思う
もちろん、私が働けばいいのだろうが
そのことで三人の子育てに手を抜くのは嫌だった