nekoluckのブログ

サスペンス小説

結婚

もう、仕事に行くどころじゃなかった
体が震えてこのままでは立ってることすらおぼつかない
さっきの若い男が


「おばさん大丈夫かよ!
どっか具合悪いんじゃねぇの
いきなり線路に飛び出そうとするんだもん
俺、行くよ!
病院、行きなよ」


親切ないい子だったのだが
私はお礼も言えなかった
あれは夫だった
背中にしっかりと人の手を感じた
強い衝撃!
彼がいなかったら私は電車に飛び込んでいた


え、あの、優雅?!
与那嶺さんはこのことを言いたかったの?
いやそんなはずは
そんなはずはないと言い切れない
今まで調べて次々と殺していく人間は
やはり夫しか考えられない


でも、どうして?
それに、どうして私を殺さなきゃいけないの?
あ!200万円
え?でも、そのくらいのお金のために?


彼はそんな恐ろしい人間だったの?
直接聞いてみる?!
いや、信じられない
私は会社に休む連絡を入れると
与那嶺さんの所に行った