nekoluckのブログ

サスペンス小説

2022年11月のブログ記事

  • 結婚

    炬燵に座って、紙コップに 横にキレイに置いてあるウーロン茶のペットボトルから お茶を入れてくれた 炬燵の上は奇麗に片付いていて何もなく そのペットボトルの横に小さなタッパーがあり そこにお菓子や食べ物が入っているようだった 普段、家での生活はいざって回れば大丈夫なんだと笑った 私はすぐにクッキーを... 続きをみる

  • 結婚

    足立区の小さな一軒家 古い! いや、ぼろい! 確かにこれではあの兄弟を助けることはできなかっただろう そう思いながらベルを押した このベルもなるかどうか心配なレベルだったが ブーとしっかり鳴った しばらく待つと中から低い男の声 「どなたですか?」 低いけれど、優しそうな声だった 「あの、森本君たち... 続きをみる

  • 結婚

    そのうち二人が帰ってきた 二人はテーブルの上の紅茶よりも 与那嶺さん手作りのクッキーを 嬉しそうに食べている ずいぶんたくさん焼いたものだと思っていたら 彼らのおやつだったのだ あの、池袋で会った兄弟とは思えないほど 幸せそうだ 「そういえば、あの頃やってたバイト 誰からのお世話だったの?」 「お... 続きをみる

  • 結婚

    もっと、詳しい話が聞きたくて 私は久しぶりに信也たちを預けた与那嶺さんの所に行ってみた 昭和の初期に建てられたような古風な家だ 与那嶺さんのご両親は大正生まれで この家は新婚の時に与那嶺さんの父親が 結構な財産を相続して建てたらしい 与那嶺さんはこの家で蝶よ花よと育てられ あまりにも純粋すぎて結婚... 続きをみる

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  • 結婚

    一人死んでいる 事故? 私はすぐにその事故を調べ始めた 夫とは口も利かないほど疎遠にはなっていたけれど さりげなく聞いてみる 「だれか仕事仲間が亡くなったの?」 日ごろほとんどしゃべらない私の質問に驚いたように 「ああ、敬さんがね 前から酒のみだったけれど 二週間ぐらい前に酒飲んで川に落ちたらしい... 続きをみる

  • 結婚

    母親が教育熱心で信也はもちろん 孝也も小学五年にしてはかなり先取り教育をしていた 二人と話していると、これはもったいない そう思わされることが多々ある 私は知り合いがやっているNPO法人 何とか援助してくれる金満家 色々調べてみた 二人で生活しながら学校に行く それもできないことはない 独身女性の... 続きをみる

  • 結婚

    その時になっても実際に夫が命を狙われているなんて 信じてはいなかった もちろん、数度の奇禍はあったが 夫、優雅という人はいかにもそういう人なのだ 一番大事なのは家族より自分自身 それはそれで、生まれつきそういう人なんだから仕方がない それに対して何か思うことにはとっくにあきらめていたが やることな... 続きをみる

  • 結婚

    『おじいさん』 興味もないし、まったく嫌な奴なのだが 夫がそう呼ばれるのはショックでもあった でも、よく考えれば、私も60だし 彼らから見れば、立派なおじいさんおばあさんなのだろう それに孝也は尾行しているおじいさんの妻が私とは知らないのだ そういわれると、夫のような年寄りが尾行されたり なぜ命を... 続きをみる

  • 結婚

    「親がある夜、二人ともいなくなって 次の日の夕方、二人の遺体が北海道で見つかった それがすべてでした どうしてそうなったのか全く分からなかったんですが どうやらすごい借金があったようで 自殺でした とにかくわかったのは、自分たちにはお金がないってことだけです」 それは過酷な経験をしたものだ だれか... 続きをみる

  • 結婚

    森本信也 それがその男の子の名前で 弟は孝也 驚いたことにラインを交換した次の週 信也から連絡があった 弟の孝也がこの前私がやっていたソシャゲーを ダウンロードしたいから 色々教えてやってくれ 施設ではスマホは持てないが 自分と会っている間はゲームをやらせてあげたいから そんな話だった 私は何とか... 続きをみる

  • 結婚

    「お兄ちゃんと一緒でいいねぇ」 「久しぶりなんだ いつもは施設にいて、ちっともおもしろくない とにかく大人しくして大人の言うことを聞け!って だから兄ちゃんが遊びに連れってくれるのは 一番の楽しみ おばさん、ゲーム好きにできていいなぁ 施設だと時間は短いし やりたいゲームは順番だし 早く兄ちゃんと... 続きをみる

  • 結婚

    小学生くらいの男の子 私は職業柄、そういう年齢の子は扱いなれている 翔が大学を出てから30代に入った頃、会社を興した その中に教育部門っていうところがあって 私はそこで家庭教師をしていたから 小学4年から6年くらいはお手の物だ 見かけた様子だけでも多分五年生だ そのくらいの男の子が好きなゲームはす... 続きをみる

  • 結婚

    私は夫に、その男の子のことは話していなかった SNSで彼らしき人を見つけた時も 何も言わなかった 今もその写真をスマホで見せて 「この、男の子、知ってる?」 そう聞いてみる 理由は言わない 「いや、知らないけど その人が何?」 本当に全く知らないようだった 私は彼に直接あたってみようか?! なんで... 続きをみる

  • 結婚

    夫がひき逃げにあった日から二週間 いや、もしかしたらひき逃げではないかもしれないが 毎日、見張ることはできない 仕事もあるし、私は夫の安全なんかどうでもよかった ただの好奇心と言えば、そうなのかもしれない 世の中は結婚について本当のことは語らない 嫌なら離婚すればよくて、離婚しない嫌な人のことは ... 続きをみる

  • 結婚

    顔はボケているが、その服装は 緩いパンツに白いラインが入っているところ 上のパーカーの色と大きさ そして、紺のニット帽 間違いなく彼だ 彼がここに写りこんでいる ハッとした 夫は今回は誰かに押されたなんて言ってはいなかった もう一度、念を押してみる 「ねぇ、誰かに押されたなんてことはなかった? 前... 続きをみる

  • 結婚

    その子を見かけてから、もう一度夫はけがをした 車に引かれそうになったのだ 怪我自体はいつものように大したことはなかったけれど 今回はひき逃げではないかと警察も調べてくれた 彼がひかれそうになった車は、真っ黒なハイエース 目撃者も何人かいて その車がものすごいスピードで逃げて行ったと言った 私も、本... 続きをみる

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  • 結婚

    興味がないと言っても結婚したのは恋でもあった でも、よく言われているように三年もすれば そんな気持ちも消えてしまっていた 恋というような浮足立った気持ちがなくなれば ああ、彼は偏差値40くらいの人なのか これは営業職でネクタイを締めてっていうのは 多分彼にとってものすごく大変なのだ 子供たちが小さ... 続きをみる

  • 結婚

    外を一緒に歩くこともなくなった夫 その日曜日はたまたま買い物帰りの私と 前を歩く優雅の時間が重なった あ、優雅だ いやだなぁ、出来るだけ会いたくない 帰るの少し時間をずらそうかな そう思って、家の近くのコーヒーショップに入ろうと思うと その時に優雅をつけているような若い男がいるのに気が付いた つけ... 続きをみる

  • 結婚

    怪我は擦り傷程度 でも、また、誰かに押された そんなことを言っている バカバカしい 誰かが後ろから押したくなるような顔でもしてたんだろう その時になっても私は信じなかった それからも喋れば人をイライラさせるから ほとんど口も利かないで数か月が過ぎた 口を利かないと、夫との生活はほとんど接点がない ... 続きをみる

  • 結婚

    誰かを殺さなければ自分の目的が達せられない そんな人間はクズだし 頭の悪い奴だ 昔からそう思っていた 推理小説のどんな素晴らしいトリックを読んでも バカバカしいとしか思えなかった それが誰かのためでも どんなに大事な人を殺されたとしても 人を殺すのは極めて頭の悪い所業だ 私はそう思っている 夫、優... 続きをみる

  • 結婚

    「バスタオルって乾くのに二、三日かかるよね」 確かにほかの家ではそうかもしれない でも、うちでは絶対にないことで 毎日、夜使ったバスタオルは次の日の朝には乾いているし 天気が悪かったとしても 次の日の昼には奇麗にたたまれて バスタオル置き場に並んでいる その事実の前に、そんなことを言う 一事が万事... 続きをみる

  • 結婚

    それから30年間 夫の性格とか夫が持って帰るお金とか 全く興味がなかった 翔の下に夫との子供が二人 朱雀と環奈 末娘の環奈が大学を卒業するまで 子育てに夢中で夫が一体どんな人であるか 全く知らなかったと言ってもいいかもしれない その30年の間の17,8年は単身赴任で 一年に一度会うか会わない、そん... 続きをみる

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  • 結婚

    私と翔は切羽詰まっていた 前の夫のDVから逃げるために 私は東京の地下に潜っていた お金もないし住む場所もない 住み込みの寮のある風俗で働いていた 何とかここから脱出しなければ それでも再婚相手は慎重に選んだつもりだった お金があるだけなら結構いたが 歳をとりすぎていたり 見た目が悪かったり 何よ... 続きをみる

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  • 結婚

    若い、と言っても30はとっくに過ぎているが その彼女が頼んだハーブティーを飲むこともなく ほとんど怒りに任せて夫の浮気を私にぶちまける よく聞く話だ 職場の入ったばかりの新人 23歳で若くて尻軽女 夫の浮気は初めてではなくてこれで二度目 それでも別れたくはない 彼のことが好きでたまらない そりゃ、... 続きをみる

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