nekoluckのブログ

サスペンス小説

結婚

それは間違いないと言う
彼女が言うのならそうなんだろうけれど
それなら、いったい誰が犯人だと言うの?
黙ってしまった私に、与那嶺さんは


「答えは明白だと思うけれど」


「え!?」


「あなた、ご主人の過去を知ってるのかしら?」


少し冷たい声でそう言われた


優雅の過去!
いや、まったく知らない
結婚するときにバカ者のように恋にどっぷりはまって
この人にどんな過去があろうとかまわない!
30の時に子持ちでバツイチだった私なのに
少女のような気持ちで優雅と結婚したのだ
優雅ののらりくらりとわけのわからない性格は
今でも変わらず
その頃のもバカだったのだけれど
私は頭がどうかしていたのだろう
私のほうからもうプッシュしたのは間違いない
結婚した後に実家のほうにも行った
父親はなくなっていたが、立派な家で
母親は毅然として素敵な人だった


彼もバツイチなのは知っていたが
それを取り立てて考えもしなかった
連れ子の翔の心に寄り添えるよう
そして教育に一生懸命で
優雅のことなど、その後深くは考えなかった
恋は結婚後三か月で冷めていたのだから