nekoluckのブログ

サスペンス小説

結婚

「え!私に?」


驚いている私をよそに与那嶺さんは
落ち着いた様子で


「ええ、たぶん、40くらいに
そうね、私に言わせればいかにも公安ですって感じの
女の人だわ
多分、普通の人にはわからないでしょうけれど
私には何となくね・・・
私についている人も一人じゃなくって
何人も変わっていくけれど
わかっちゃうのよ
私、ほかにすることがないから
その辺ですれ違ってる人もよく観察する癖があって
間違いないと思うわ
あなたにも公安の人が付いてる
それで、思ったのよ
あなたはどこからどう見ても健全だし
公安に目を付けられる人じゃない
それなら、あなたの夫じゃないかって
長いこと単身赴任で一緒には暮らしてなかったんでしょ
その間に何かあったのか
もしかしたら、あなたと結婚する前に何かあったのかもしれないわ」


私は夫が公安に目を付けられるほどの人間とは思えない
でも、今の殺人が夫に関係しているのならば
そして、本当に犯人が夫なのならば
私の知っている人ではない
そんな能力があるとは思えない
いい人ではないし、ずるくて少し馬鹿ではあるけれど
まさか犯罪に関係してるなんて
思ってもいなかった