nekoluckのブログ

サスペンス小説

結婚

与那嶺さんは濃いミルクティーを淹れてくれた
それで、私は少し冷静になれた


「こういうことを言いたかったんですね」


与那嶺さんは甘いチョコレートスフレを私に勧めながら


「これ、ブランデーが入ってるし
十分甘いいのよ
ショッキングなことが起きた時は
お酒か甘いものがいいの
もう少し落ち着くまで待ってるから
ゆっくり食べて」


私は食べながらも
落ち着くどころか、まったく信じられない思いだった


「だって、あの子たちの両親が
自殺したことに始まって
その後の吉永敬次でしょ
それから市田陽
その二人が見事に事故死したのに
あなたの旦那さん、優雅は何度も助かってる
どう、考えてもおかしいわ
そんなに機敏で死をいつも回避できるような
注意深い人じゃないんでしょう」


「そうですけど
人殺しができるような
頭のいい人でもないですよ」


私は知らぬ間に優雅をかばっている